クリーニング日々日記

クリーニングブランドの日々の日記

栃木県日光市でクリーニング店を営み、そこで日々起こっていることを書き綴っております。.
 

東京からシルク製毛布

先日,東京にお住まいの方から問い合わせのお電話を頂きました。

お問い合わせの内容ですが、普段着は、某有名クリーニング店を利用しているが、とても思い入れがあるシルク製の毛布を出すには、不安で、安心して利用できるクリーニング店を探している

と言うお電話でした。

とても高価な毛布と言う事で最初にお断りさせて頂きましたが、お客様の想い入れを聞いているうちに「当店で本当によろしいのでしょうか?」と聞き了解を得て引き受ける事になりました。

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当店のホームページを公開してから7年目に入りましたが、当初も現在もありますが、「インターネットでクリーニングに利用するなんて出来るわけない」「クリーニングでインターネットを利用できるのは、10年先だ」と

言われて来ましたが、もちろん公開前から私は、インターネットに可能性を感じ取り組んで、続けています。

公開当初、特殊技術、(一般的にクリーニング業界だとシミ抜き、布団クリーニング、毛皮、革製クリーニング、着物など)がないとネットを使って全国からクリーニング通販は、出来ないんじゃないか?と

思っていました。

徐々に特殊技術以外で注文を取れると感じて続けて来ましたが、今回のシルク製の毛布の仕事を受けさせて頂いた事で沢山の事に気づかせて頂けた、気がします。

「安心してクリーニングを出したい、利用したいと願うお客様がいる」と言う事に気づかせて頂けたので、これからも「安心して利用して頂けるクリーニング店」になれるように努力を続けて情報も発信して行きたいと思います。

紳士物Wの上着の虫食い穴・・・・・・1 修理前

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スーツの虫食い穴、たばこの火で空いた穴、引っかき傷など、洋服ダンスを開けた時、久しぶりに呼ばれた冠婚葬祭の時、ショックを受けた事があるかと思います。

上記の写真にあるWのジャケットをお客様からお預かりして来ました。

下記の写真の2枚が虫に食われてしまったあとです。


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修理の相談は、良くお客様からされることが多く、アイロンテープで生地を後ろから

当てて直すか、「かけはぎ」と呼ばれる修理方法のどちらかしか今のところ

ないようです。

今回は、お客様から一度も袖を通していないスーツに虫食い穴が空いてしまったので、「かけはぎ」修理を承ってきました。

「引っかき傷」「たばこなどで焼けた小穴」などがかけはぎ修理が出来る物になります。

あまりにも大きくさけてしまったものは、修理は、難しいですが小さな穴を塞いだり、小さくさけた物などは、ほぼ修理跡がわからない状態まで修復出来ます。

無地の生地の場合は、若干縫いあとが残りますが、ストライプ系の生地は、特に分からなく仕上がります。

羽織の 水ジミ

黒の羽織に食べこぼしをしてしまって、そのまま保管してしまったと言う、羽織をお預かり致しました。

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肩の部分と襟の下、脇と広範囲にわたって、水溶性の汚れが付いています。

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丸洗いすると水の和ジミは、消えきれいになります。

染みを部分的に抜いて、「丸洗いは、やらないで」とたまに言われますが、

あまりお勧め致しません。

和ジミが残りやすくきれいになりにくいからです。

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子供用羽織の食べこぼしの汚れ

小さい男のお子さん用の羽織です。

素材は、ポリエステルで、汚れは、おかしの食べこぼしのようでした。

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油性処理した後、水性の処理剤で軽くつけるだけで良く落ちて行きました。

素材がポリエステルだったので、繊維にしみこまず、浮いていたため落としやすかったと思います。

シルクやウールなどの天然繊維のお着物類だと、このようには、行きません。

何か「はねてしまった」「こぼしてしまった」

時は、乾いたタオルやハンカチテーブルナプキンでまず、こすらず上から押して汚れをタオルなどに移しましょう。

その時、乾いたタオルなどではさむようにして、汚れを移すとなお良いです。

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このように化学繊維だとわりと落としやすいです。

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本革とバックスキンのリバーシブルジャンバー

先日、お客様からお預かりさせて頂いた表革と裏革のリバーシブルジャンバーです。

写真が無いんですが、同じお客様からこのリバーシブルジャンバーと同じで裏革にプリントが付いている物もお預かりしたんですが、劣化が進んでいた為、お返し致しました。

今回のジャンバーも牛を使った革なんですが、表革から色が出る恐れがあり、お客様に確認した所作業に入るのは、見合わせるとの事で作業に入らずお客様に返却する事になりました。

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価格の安い裏革(バックスキン)のジャンバーだと豚の皮を使うのが多いです。

豚革のバックスキンは、毛穴が大きく目立ちやすいデメリットがあります。

表革のクリーニングは、修正や色を入れたりと可能ですが、裏革の修正は、難しく洗えない物が多いです。

製品の販売員は、バックスキンの管理が難しい事は、教えては、くれないので、購入後クリーニングするのが難しい事を覚えて頂くと後悔がないお買い物が出来ると思います。

モンクレール&ギャルソンのコラボダウンジャンバー

昨年から題名にあるように有名なモンクレールとコムデギャルソンがコラボレーションして

作ったダウンジャンバー高価でクリーニング店が「保証書が無いと預かれない」

当店に来ている革屋さんも

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裏地がナイロンで経年劣化すると剥がれるので、預かれないと言って、どこの業者も

上記の写真のジャンバーを預からないようだ。

上の写真のジャンバーを当店に持ち込んでくれたお客様は、当店で7件目のクリーニング店で、どうしても洗ってほしいとの事だったので、経年劣化は、3年から劣化するので、今年買ったばかりと言う事もあり、お客様に万が一剥がれてもしまっても大丈夫かを?を確認し、了解を得て洗わせてもらうことになった。

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肩まわりに牛皮が使ってあるが、加工がされてあり、ドライクリーニングしても問題は、なかった。

今年の革製品、毛皮製品の返品率が高くて、革屋さんもお客様からのクリームを防ぐ為に無理をせづ洗わないので、返品が多い。

羽布団の粗悪品が出回る

 

 

羽毛布団の粗悪品が出回っています。
フェザー(骨の部分がある)を多く使い、コストを落としているお布団。
お布団にフェザーを多く使うと、フェザーに付いている骨の部分が
丸洗いをした時に、表地を破ってしまう恐れがあります。

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羽毛布団は、基本が四つの層に分かれていて、層を作るため
縫い合わせてあるのが一般的ですが、最近紙を接着剤で生地に
接着して層を作っている羽毛布団が出回っています。                              

紙を接着剤で生地に付けている為、使用しているだけでも剥がれていき丸洗いした時に仕切りをしていた紙が剥がれ一層にまとまり中のダウンがよります。

生地の弱いものフェザーが多く入っている物には、注意が必要です。
中の層に関しては、判別するのが難しいので信用が出来る販売店、
保障が利くかを確認しましょう。

現在は、全国の布団業者内で情報が共有されているので、だいたいの布団クリーニング業者は、認知していると思います。

当店で確認した物は、有名デパートで購入した物でした。

問い合わせ先に電話した所、その電話番号は、使われて居ませんでした。

大概の悪徳業者は、ある程度販売すると連絡先を変えたり、
事務所を移転したりと、連絡を取れる手段を無くしてきますので、
お客様の負担になる場合がほとんどです。
そうならないよう購入される前に一度よく見て、安心できる業者なのか、
信用が置けるのか確認をしましょう^^

 

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ダウンジャンバー付属ファーの取り扱いについて

ダウンジャンバー、ダウンコートなどに下記の写真のようにフードに

ファーが付いているコートをみなさん数着もっているかと思います。

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ファーは、天然の毛と革で作られている物と、人工的に作られている

(フェイクファー)などがあります。

下記の写真にある品質表示には、毛皮・ラビット と表示があります。

一般的に最近多く流通しているファーとして多いのが

ラビット(うさぎ)、ラクーン(たぬき)だと思います。

ダウンジャンバーなど、ファー付きのジャンバー、コート類をクリーニング店に出す時、一般的には、一般クリーニング店、革クリーニング店、布団クリーニング店と専門で分かれているので、お客様が利用しやすい一般クリーニング店の取次店を利用されると思います。

そうすると、ジャンバー、コートは、クリーニング店で処理出来ますが、ファーの部分は、革専門のクリーニング店にクリーニング店が出します。

当店では、ファーがあまり汚れていなく、お客様もファーのクリーニングを望まない場合は、ファーが付いたままお預かりして、ファーをはずしてからジャンバーを洗い、仕上げの時にファーをつけて包装してお客様に返却するようにしています。

ファーに限らず付属品(ベルト、ファーなど)は、外さず付けたままクリーニング店を利用すると紛失する原因を減らせます。

つけたり外したりしていると家にあるのか?クリーニング店にあるのかと分からなくなりやすいからです。

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カシミヤなどの高級獣毛衣料製品は、スレやすい

カシミヤは、カシミヤ山羊から取れた毛で、一頭から約200g前後しか取れず、

収穫も主に春の毛の生え代わりの時だけしか取れない高級繊維でした。

インド、ネパール、モンゴルなどから少量しか輸入されていなかった為、大変貴重で高価な素材でした。

ここ10年前ぐらいから、中国からの輸出量が増え、カシミヤ製品の価格が下がり大変購入しやすい

価格でカシミヤ製品が流通するようになりました。

その他に高級獣毛繊維としてアルパカ、アンゴラなどがあり最上級繊維と呼ばれるビキューナがあります。

羊毛などの繊維には、毛の芯に弾力がありますが、カシミヤなどの高級獣毛繊維には、コシが少なく柔らかい反面、型崩れしやすいシワになりやすい性質があります。その為耐久性も低く、ネクタイやマフラーなどこすれやすい繊維製品は、スレやすく型崩れしやすい。

獣毛繊維や天然繊維は、害虫やカビの大好物なので保管時には、防虫剤や通気性に気をつけましょう^^