あまり見かけない珍しいコートを預からせて頂いたのでここで紹介したいと思います。
預からせて頂いた物はお客様(2012年現在で86歳)のお父様、お祖父様が着られていた
(明治時代あたりに仕立てた)品物。
長い間収納されていたので若干のカビがあったのですが虫に食われる事無く
綺麗な状態でした。
仕立てたコートで、今の生地とはまた違った良さを感じるすばらしいコートです。
日本だとトンビと言う名前で呼ばれることが多いようですが正式にはインバネスコートといいます。
一番の特徴は、ケープが付いている事でこの形の、袖の無い物が原型になります。
スコットランド由来のコートで、日本には明治時代初頭に伝わり明治40年頃から広く流行した
ようです。
当時は、和服の上に着る事が多く、このタイプの他に袖付きの物も多くあります。
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丈が長いコートに、ケープを合わせたデザインを持つ。コート部分は袖のあるものと、無いものがある。
ケープの長さは、袖無しの場合は手首程度までの丈の物が多く、袖のある場合は肘~手首程度の
範囲の丈の物が多い。ケープは取り外しが出来る物と出来ない物があり、袖無しの物は取り外せない
場合が多い。 ケープの背中部分がコートの背中部分と一体化している物もある。
スコットランドのインヴァネス地方で生まれたとされているためこう呼ばれている。雨天など過酷な気象
でもバグパイプ(スコットランドの楽器)を守り・演奏するのに作成されたといわれている。
鹿撃ち帽、パイプと合わせた姿は、シャーロック・ホームズのトレードマークとして知られている。
ただし、この姿で居る描写は原作の中ではされておらず、挿絵や映像作品などから二次的に出来
上がった姿である。
シャーロック・ホームズのインバネスコートのいでたちは、作者サー・アーサー・コナン・ドイルがスコットランド
のエディンバラ出身であった事に関係があるものと思われる。
映画監督の伊丹十三は「着物にインバネスってのは、ライスカレーと福神漬け、と同じように
和洋折衷大成功の一例である」と語っている。
(ウィキペディア参照)